フランス語で「美しいガラクタ」を意味する「ブロカント」という言葉をご存知でしょうか? パリから約160㎞ほどの場所にあるアミアン(Amiens)という街では、毎年4月と10月にプロのバイヤーやブロカント好きの個人に向けたアンティーク・マーケットが開催されます。このマーケットはフランス最大級の規模を誇り、2,000を超える様々なディーラーが半年かけて集めてきたブロカントを持ち寄って15㎞にも及ぶ通りを埋め尽くすアミアンの一大イベントです。
マーケットの開催はたった一日だけ。この日の為にディーラーたちは前夜からお店の準備を始めます。8万人が訪れるこのイベントは早朝5時には混み始めるので、掘り出しモノを他の人に買われてしまわないように眠い目をこすりつつ必ず3時頃には繰り出すようにしています。その時間帯はまだ暗いので、懐中電灯はバイヤーの必須アイテムです。買付を行う際には一日の間に何度もお店とトラックを往復しなくてはいけないので、バイヤーは必ずキャンプ用のカートを持ってきています。これも必須アイテムの一つです。
午後3時頃には店じまいが始まる時間帯なのですが、ここからがバイヤーの腕の見せ所。お店は折角この日の為に集めて頑張って運んできたブロカントたちを持って帰りたくないので、各段に価格交渉がし易くなる楽しい時間帯が始まります。他の人達が見過ごした宝物を拾い集めるべく、必ず最後までくまなく歩き回って(時には煙たがられるまで)交渉を続けます。
ブロカント好きの方々には、機会があればぜひ訪れていただきたいマーケットです!